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ラジオネーム:シネマニア「男はつらいよ お帰り 寅さん」

安谷屋さんこんばんは。「男はつらいよ50お帰り寅さん」を観ました。

 

満男と泉の話は桜坂シネコン琉映で観ました。だから今回の新作も桜坂劇場で上映されたら嬉しかったんですけどねえ。その点は残念ですね。

寅さんとなるといろいろと語りたいことが沢山あるんですが、それを全部ここで言ってたら切りがないので、満男と泉だけを語りたいと思います。

 

こういう映画だったらめでたしめでたしとなるはずが、結局、満男と泉は一緒にならずに終わりました。満男と泉がそれぞれ別の相手と結婚しているという設定に驚きましたが、まあ最後はこのふたりは結婚する決意をしてめでたしめでたしとなるんだと思ってました。

 

満男は妻に先立たれているから問題なしだけど、泉は夫と子供がいるのが気になりましたけれど、そこをうまくまとめるんじゃないかと。よくよく考えて見ればそういう不倫のドロドロした話は寅さんワールドに合いませんから、そういう事態にはなりませんでした。

 

満男も泉の今の泉の家族を不幸にすることが出来ないということですね。自分の幸せのために他の人を苦しめることが出来ないというか。泉は両親が離婚して少女時代は悩んでいましたから、なおさら子供たちを自分の体験した目に会わせたくないのでしょう。

 

ふたりとも自分の幸せのために他者を傷付けることが出来ないのです。でもそういう人が幸せになって欲しいですね。それだけに空港の別れはとても切ないものでした。でも満男が「行くな」と言ったら泉は動揺するけど満男と一緒になることを選ぶはず。この強い態度ができないから、泉が日本を離れてしまいました。自分としては寅さんワールドに合わなくてもふたりが一緒になったらホッとしたんですがねえ。不倫になってしまってもそうなって欲しかったですね。

 

別れのキスを泉の方からしますが、それを観て「寅次郎の青春」を想い出します。ここでのキスシーンも今回のこの別れにも出てきますね。その映画のラスト、泉は東京に出て働いているんですが、母親が病気で入院しているので、故郷に帰ります。満男はいろいろ言いますが、泉は母親のために考えを変えません。そうなると満男は何にも言えません。そこで満男が「母親のことはふたりで一緒に考えよう。俺は君が好きなんだ。離れたくない」と言えばそこでふたりは結ばれたと思います。満男がここで強い言葉で言えば今回の別れは無かったはずです。そこで泉との別れがきます。その後の寅さんで二本くらいは泉は出ません。私もこのラストシーンで泉との恋は終わったと思いましたよ。ところが「寅次郎紅の花」でまた泉が出てきます。しかもリリーも出てきましたから、ああこの二組が結ばれてこのシリーズは終わるんだなと思いましたよ。

 

そしてこの時の別れのキスも泉の方からするんです。その時に流れた徳永英明の「最後の言い訳」が非常に良いです。「一番大事なものが一番離れていくよ」この歌詞がこの二人の関係に溶け込んでいるぴったりの曲でしたね。あの場面にはこの歌がぴったりでした。

 

今回の別れでもこの曲が流れたら、私はもう泣いていたでしょうね。「寅次郎の青春」を観終わってもこの曲が耳について離れませんでした。私はこの場面と歌を家に帰るまで繰り返し想い出していました。そして満男と泉の切ない気持ちが伝わってきました。そこでこの歌をリクエストします。

 

でもこの時の切ない気分を27年後にふたたび感じさせるとはねえ、あらためてこんなに月日がたってしまったんだと思ってびっくりします。「寅次郎の青春」を観た時は31歳で、「お帰り寅さん」で58歳ですからね。

 

 

性別:男性

住所:南城市