MENU

Pick Up Program / ピックアッププログラム

番組一覧はこちら

スクリーンへの招待

ブログ

ラジオネーム:ツリーツリー「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」

眞理子さん、こんばんは。
『グンダーマン 優しき裏切り者』を観ました。
ベルリンの壁が東西に分かれていた時代、東ドイツに生まれたゲアハルト・グンダーマンが活躍されたていた頃の話です。

東ドイツのボブ・ディランと言われ、シンガー・ソングライターの彼の曲は、劇中に流れ、彼の心の内をのぞかせてくれます。愛称グンディと呼ばれ、自らにかせた採掘現場での労働者としての生き方とバンド活動の両立、頑なにくずさない主義や主張が彼の魅力を引き立たせているのですが、彼が生きた時代というのは、監視国家社会。彼の音楽にかける熱い気持ちが、秘密警察に利用されてしまうのです。国外でのライブ活動と引き換えにスパイとして、仲間や友人、また、国の敵とされる人の情報を密告し、裏切っていくのです。ところが、時代が変わり、東西ドイツが統一されると、次々とスパイ行為をしていた人達が暴露され、グンディのスパイ活動の事実があかるみになるのも時間の問題。グンディ自身も実は監視されており、裏切られた存在でもあったのです。娘の誕生と幸せの日常の中で、自分のやるべき事を確信したグンディは、仲間や友人たちに事実を話す決意をします。そして、バンド活動を応援してくれているファンにも自分から事実を伝える覚悟をするのです。

映画を見ながら、グンディの真っ直ぐな態度や物事に向き合う姿に心うたれる場面が数多くあり、彼の音楽とあいまって、鬱屈しているコロナ禍の日常に灯りをともしくれます。先の見えない今の状況にこの作品から勇気をもらえます。

作品の中で、愛娘リンダに捧げている曲は、とても優しく、娘、家族に対する愛情が感じられる素敵な曲です。桜坂劇場で1週間上映された後、次の予定が調整中とあります。長く上映されることを期待しています。多くの方にぜひ、劇場で観て欲しい作品です。私も上映が決まり次第、リピートしてきます!まだまだ感想を言い足りない部分がありますが、長くなったので、この辺で失礼します。先日はチケットありがとうございます。では、また、お便りします。

性別:女性
年齢:40代
住所:那覇市