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風疹の1例目はぶらりとやってくる

さて、先月末、南風原にある県医師会館で
今年度第3回目のマスコミ懇談会であった。

テーマは「沖縄での麻疹流行を振り返る」
講師は県立中部病院感染症内科の椎木創一先生。

今回は先生のお話を一部スライドに再編集した。


今回も外国からの旅行者が、熱が下がった時に来沖。
風邪程度に考え、旅行を続けたため、感染が拡大した。




ここで書くまでもないかもしれないが、麻疹は感染力が
強い感染症である。空気感染や飛沫感染などで人にうつる。
インフルエンザの10倍近くうつりやすいそうだ。
(椎木先生としてはこの表現はあまりオススメしないと言っていたが)

ただし、疹に似た発疹がでる病気は結構あり正直診断は難しく、
また医者であっても実際の患者を診察する機会は意外と少ない
そうだ。(それだけ流行が起きていない証拠ではある。)
先生曰く、麻疹の早期診断をするのは「感染症のプロ」ではなく、
前線にいる救急救命医、小児科医、内科医、研修医。
流行しているか否かにもよるが、正しい診断にこだわるよりも
麻疹ではないか?と考えた「正しい行動」が有用なことも
あるという。

あと、こちらも備忘録として残しておこう。

麻疹の場合、実は心配なのは大人。ギリギリまで頑張って
重傷になって病院を診察することが多い。一方、子どもは
ワクチンを打っていたり、親が体調が悪いときちんと
病院を受診したりするため、現場ではスライドのような
アンバランスが起こるらしい。

では、ワクチンを接種すれば、麻疹にかからないのか?
といえばそういう訳ではない。



修飾麻疹の潜伏期間は通常の麻疹よりも長く、
麻疹の典型的な症状が出ないことが多いため、
診断は難しいとのこと。ただし、一般的には
通常の麻疹よりも感染力は弱く、修飾麻疹患者が
感染源となることは、典型的な麻疹に比べて低いそうだ。

麻疹免疫が足りない20代〜40代が妊娠期を迎えている今、
うつらない、うつさない、つぶれないためにも
男女問わずワクチン接種が望ましいとのこと。
せめて妊婦本人が打てないワクチンは家族がうちたい。

最後に、感染を防ぐためにできることをまとめた。



先日、県内で麻疹の疑いと報道された方は、
麻疹ではないことが明らかになったという。
ただ、これから移動が多い季節、いつぶらりと
麻疹、風疹が沖縄にやってくるかわからない。
インフルエンザの予防と同時に、麻疹・風疹
の対策も心がけたい。