毎週火曜日にお届けしています"Finer"
志を持って頑張っている方、
誰かにfine!を届けようと活動している方、
いわゆる「ファイナー」をご紹介しています。
今回のFinerは、味噌めしや・まるたまの店主でいらっしゃいます中西武久さんです。
松田礼那）那覇市泉崎にあります「味噌めしや・まるたま」どういったお店なのか教えて頂けますか？
中西さん）私の母の実家は「玉那覇味噌」という味噌蔵なんですが、その「玉那覇味噌」の良さを多くの人に知っていただきたくて、始めたお店です。
お味噌を使ったお料理・・というと、皆さん「お味噌汁」を思い浮かべると思いますが、実は他にも色んな料理にも使う事が出来ます！
例えば「味噌バター」にしたり「ミネストローネ」「カレー」「生姜焼き」入れたりと、色々な使い方が出来るんです！
松田）はい！私も中西さんのお店に行ってビックリしました！
私が頂いたのは「豚肉のステーキ」だったんですが、味噌が豚肉の甘味を引き立てていて、とっても美味しかったです！
「味が濃い」「塩っ辛い」というこれまでの味噌料理のイメージがガラリと変わって、衝撃でした！！
中西さん）ありがとうございます。この「料理の味・素材の味を引き立てて、コクを出せる」というのが、「天然醸造の玉那覇味噌」の大きな特徴です！
松田）「天然醸造」ですか？
中西さん）はい。今の大手メーカーさんのやり方は「促醸」というやり方で、人が温度などを管理して、発酵を促しています。
一方、昔ながらのやり方である「天然醸造」というのは、自然の力に全て委ねて、人間は特に何もしません。
この「天然醸造」で作った味噌は、優しくて、丸くて、甘い、コクのある味噌になります。
ただ、現在この「天然醸造」で味噌を作っているのは、県内ではほぼ「玉那覇味噌だけ」だと思います。
松田）以前は「天然醸造」で味噌を作っている味噌蔵もあったけれど、「今は」玉那覇味噌さんがほぼ唯一・・という事でしょうか？
中西さん）そうなんです。戦前は、天然醸造で味噌を作っている所も沢山ありました。
けれど戦争で、うちぐらいになりました。
それは、味噌づくりには「これまで味噌を作って来た建物の柱」が「宝」だからです。
味噌を作っていると、その建物の梁・柱に、麹菌が住み着きます。
そして、その柱に住み着いている麹菌が味噌の味を左右するんです。
ですから、戦争で建物の柱が焼けてしまった味噌蔵は、味噌づくりを続ける事が出来ませんでした。
うちは、今も昔も首里城の下に味噌工場があって、武器工場と間違えられたのか、開戦してすぐに砲撃にあいました。
けれど、幸い焼けはしなかったんです。
そこで、祖父母がなんとか柱を防空壕の中に避難させて、戦後もその柱が残っていたからこそ、今も続けることが出来ています。
松田）戦争も乗り越えてきた、歴史ある味噌なんですね！
中西さん）はい！また戦前には、曽祖父が王家の息子さんと２人で、大阪の大学に留学に行き、そこで学んだ醸造学が今の玉那覇味噌に活かされている・・とも聞いています。
「玉那覇味噌」は今年で、１６８年・９年になります。沖縄で１００年を超える企業は中々ありません。
先人たちの思いも受け継ぎながら、この歴史ある「玉那覇味噌」を次の世代に伝えていきたいと思っています。
松田）この歴史あるお味噌を次の世代にも伝えるため、今中西さんが経営されているのが「味噌めしや・まるたま」なんですね！
こちらのお店にいくと、「本当に色々な料理に、天然醸造のお味噌は使えるんだなぁ」と分かるんですが、私たちが家庭でも出来る味噌を使ったお料理って何かありますか？
中西さん）もちろん、沢山あります！
例えば、カレーに大匙１杯、天然醸造のお味噌を入れるだけでも、コクが出ます。
また、おでんを、醤油の代わりに味噌で、作ってみて下さい！
「これ味噌使っているんだよ」と言わないと分からない、隠し味として使う事が出来ます！
松田）料理にお味噌を入れるときのタイミングも教えて頂けますか？
中西さん）分かりやすいのは、レシピを見て「醤油」と書かれている所を、そのまま「天然醸造の味噌」に変えるだけです。
タイミングも量も、醤油と同じと考えて下さい。
醤油も最近のものは「促醸」で作られているものが多く、しょっぱさが前面に出て、深みの少ない物が増えています。
そこで「天然醸造の味噌」と使うと、料理にぐっと深さが出ますよ！？
是非やってみて下さい！
＜味噌めしや・まるたまの情報＞
お味噌を使った様々なお料理、朝から晩まで食べる事が出来ますし、こちらのお店で、天然醸造のお味噌も買う事が出来ます！
是非足を運んでみて下さい！
住所：〒900-0021 沖縄県那覇市泉崎2-4-3-1F
※駐車場はございませんので、お車でお越しの際は近隣のコインパーキングをご利用ください。
- 営業時間：7:30-22:00
- TEL：098-831-7656
- 定休日：日曜/第2・第4木曜
