猫と暮らす人の間で密かに流行っている、猫のお腹などの匂いをかぐ「猫吸い」。
一度やってしまうと辞められなくなると聞き今まで避けてきた。
冬の冷え込みが厳しかった先日、ベッドであたたかそうなブランケットに包まれて
至福の表情で眠る、もこもこのお腹を見ているうちに、つい出来心で顔を投入して
しまった。おひさまの匂いがしました。
駄目だ駄目だと思っていても、ついやってしまうのが人間の性(さが)でもある。
「ついやってしまう」体験を、実際に経験して思うのは、満足度もその後の
リピート頻度も高くなるということ。これは商売にも生かさない手はない。
今日は、人が動く仕組みについて考えてみたい。
元ゲームプランナーの玉樹真一郎氏の著書では、人の心を動かす体験を作る方法を
「体験デザイン」と呼んでいる。この体験デザインは、主に3つの型にまとめられる
のだという。
1直感のデザイン
(仮説→試行→歓喜:前もって予想させ、試し、予想が当たったと喜ばせる)
2驚きのデザイン
(誤解→試行→驚愕:予想が外れる驚きで疲れや飽きを払拭する)
3物語のデザイン
(翻弄→成⻑→意思:体験を通してユーザー自身の物語を生み出させる)
こうした「型」を知っておくと、例えば、商品を買ってほしいと思っている
お客さま候補に対して、どのような狙いを持ってコミュニケーションを取っていくか
を考えることができるだろう。
試食や試飲をしてもらうとして、「予想通り」で満足いただいて買ってもらうのか、
「思っていたのと全く違ってすごい!」という驚きで買っていただくのか、つくり手の
試行錯誤の努力の結晶がこの商品であるという説明で買っていただくのか。
人の心が動くということは、感動の度合いが大きくなるということ。
このあたりを意識してコミュニケーションを設計していくと良いかもしれません。