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第104回 猫に学ぶビジネス哲学

食後まもないのに、大声で空腹アピールするにゃぶろう。さっき食べたよね!と言っても素
知らぬ顔でお皿の前に座る。都合の悪いことには耳を貸さないという強い意志を感じる。

 

 


都合の悪いことに耳を貸さない猫はかわいいが、現在迎えている新型コロナウイルス感染拡
大の局面で、本来、真正面から受け止めるべき情報に耳を貸さないと、理にかなった行動を
とることができず、感染のさらなる拡大に加担してしまう可能性も出てくる。


「正常性のバイアス」という言葉がある。これは、都合の悪い情報を遮断したり「自分だけ
は少しくらいは大丈夫だろう」という思い込みが働くことを指す。バイアスは「偏り」の意味。

 


現在、県内では新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあるが、風邪のような症状がある
場合、外出を控えるよう呼びかけられている。しかし「自分は大丈夫だろう」と考え、出掛
けてしまうような心理状態は、正常性のバイアスが働いている状態であると考えられる。
心理的にバイアスがかかった状態の厄介なところは、他人がバイアスがかかったと思われる
行動をとっている場合には、それが理にかなっていない、望ましくない判断だと理解できる
のに、自分自身のことになると、望ましくない判断だということに気づきにくくなること。

 

バイアスに対処するために大切なことは、バイアスの存在を受け入れること。自分の判断に
はバイアスがかかっているかも?という問いかけを自分自身にできれば、自身の判断からブ
レや偏りを取り除いていくことが可能になる。他人もバイアスがかかるものだと理解できれ
ば、他人のことを不必要に批判したり攻撃したりせず、受け入れる事ができるようにもなる。
いま戦うべきは、人の助け合いを邪魔してしまいかねない心の働きに気を配ることだと思う。