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第76回 猫に学ぶビジネス哲学

「チャンスに気づくには?」

 

今の家に引っ越したときのこと。荷解きをせず放置した部屋があった。

その間、にゃぶろうはその部屋に入ることができず、片付けてからも

しばらくは縄張りではないと思い込み入ろうとしなかった。

警戒せずにその部屋で過ごすようになったのは数ヶ月経ってからだった。

 

 

猫だけでなく、人も思い込みをしてしまう動物。

ハーバード大学のダニエル・シモンズ氏がある実験をした。

実験のターゲットAさんは、仕掛人Bさんに道を尋ねられる。AさんがBさん
に道を説明している最中、AさんとBさんの間に、ドアを運ぶ人達が現れ、

Bさんの姿が見えなくなる。その間にBさんが、似た格好の別人Cさんに

入れ替わるという実験。驚くべきことに、道を尋ねられた人のうちの約半数が、

相手が別人に入れ替わったことに気づかなかった。

 

人は何かに気を取られていると、目の前で起こっていることを見過ごして

しまうことがあるようだ。私達は、目の前にあるはずのチャンスをみすみす

見逃してはいないだろうか。

 

世界的に有名な飲料コカ・コーラ。初代社⻑のキャンドラー氏は、その経営

手腕が今でも評価されているが、世界的にコーラが広がるきっかけとなった

「瓶詰め」の提案を受けた際、興味を示さず、瓶詰めの権利を安く売った

時期があったのだそう。後に、瓶詰めにより持ち運びという機能性と

デザインボトルの独自性を獲得したコカ・コーラは世界的飲料となった。

 

道案内の実験からも瓶詰めのエピソードからも、客観的な視点を当事者が

持つことの難しさを私達は学ぶことができる。チャンスを見過ごさないために、

私達は、第三者の意見を求めたり、新鮮な視点から物事を見つめる必要がある

ことを心に留めておきたい。