猫は顔かたちは比較的似ているが、本当に様々な種類の色や模様をしている。
そこも猫の素晴らしいところ。にゃぶろうはいわゆるキジ白と呼ばれる種類の
模様の毛皮に包まれているが、キジ白のなかでも独特の色味をしていて、
「神様、センスいいですね」と思う。
さて、センスという言葉を日常よく耳にする。服のコーディネート、
写真のとり方、料理の盛り付け、野球の打撃センス、ビジネスセンス等々。
センスという言葉の意味を調べると、感覚、意識、勘、判断能力、美などに対する
本能的なものなどと定義されている。
「センス入門」の著者である松浦弥太郎さんは、センスは「選ぶ」もしくは
「判断すること」だと語る。センスを磨くためには、自分がセンスが良いと
感じる人や場を観察して学ぶ・真似ることから始めていきましょうと説いている。
そうか、そうやって自身のセンスを磨いていけば良いんだと思いきや、
少しドキッとすることも仰っている。「何でも知っている人よりも何でも考える人
になったほうがいい(外山滋比古さんの著書からの引用)」「自分の幸せをどうやって
分けていくのかもセンス」「手に入れたものを独り占めせず循環させていくこと」等の
言葉が刺さる。
松浦さんの著書を読むと、センスは、普段の考え方や行い、生活から磨かれる
ものだということを感じた。思い出したのは、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい、
自分で守れ。ばかものよ」という詩の一節。感受性もまたセンスであると思う。
茨木さんもまた、ご自身で磨いたセンスを詩という形で人々にその感覚を
分け与えたのだと感じる。分け与える、自身の言葉でアウトプットすることの大切さ
をセンスについて考える中で改めて感じた。