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「思いやり」ですか「思いこみ」ですか?

ある朝のあるオフィスでの光景とお考えください。一本の電話がなり

「すみません、子どもが急に熱を出したので今日は休ませてください」

とある社員が告げました。この社員は男性ですか?女性ですか?

 

 

「電話をかけてきたのは女性社員!」

とイメージしたのではないでしょうか?
(この質問を最初にされたとき私は「女性」をイメージしました)

 

子どもが急病のとき、休むのは「お母さん」。

男性ではなく女性だという「思い込み」はなかったでしょうか?

 

 

このようにいつの間にか刷り込まれた思い込みのことを、
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)といいます。

このバイアスが強く働くと、女性が活躍できるチャンスを奪ったり
男性の家事・育児参加を消極的にしたり、イノベーションや

グローバル化の停滞などさまざまな悪影響が起こるとされています。

 

ただ、このアンコンシャス・バイアスが絶対に「悪」かというと

必ずしもそうではありません。

 

あなたの会社にA子さんという、小さいお子さんのいる社員がいると

想定してください。あなたは上司です。

 

このほどA子さんに出張の必要が生じました。

上司であるあなたは「小さな子どもがいるA子さんには、出張は難しい」

と“思い込み”「出張は他の人にお願いするね。」と声をかけました。

 

その時、A子さんはどう感じるでしょうか?

「責任を持ってちゃんとやり遂げたかったのに・・・」と

残念な気持ちになるかもしれません。

 

しかし一方で「出張を別の人に変わってもらって助かった!」と
感謝するというケースもあるのではないでしょうか?

 

くどいようですが、アンコンシャス・バイアスが絶対に

「悪」ではないというのはまさにこの部分です。

 

アンコンシャス・バイアスは日々の生活経験を重ねる中で、

社会の慣習を学び、自分の暮らしや文化、地域や組織に適応するため
に備わる一種のスキルともいえます。

 

極端な話にはなるかもしれませんが、このバイアスがなければ

「配慮はナシ。みんな平等に出張や残業をしてもらおう」

となってしまって、「思いやり」がなくなってしまいますよね。

「思い込み」が生む「思いやり」がある。ということをみなさんも

実感する場面があると思います。

 

では私達はこのアンコンシャス・バイアスにどう向き合えばいいの

でしょうか?

 

まず、自分の中でどのくらいバイアスがかかっているのか認識しましょう。

その上でとっさに浮かぶ思いや行動に対して常に、「思いやり」なのか

「思い込み」なのか、ニュートラルな気持ちで自問自答してみましょう。

 

そして何より、一番大事なのは「コミュニケーション」

本人がどうしたいのか、まずはじっくり話し合いましょう。