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田場珠翠さん「新元号『れいわ』どちらの漢字を選ぶ?」

毎週火曜日にお届けしています"Finer”

 

志を持って頑張っている方・・

誰かにfine!を届けようと活動している方・・

いわゆる「ファイナー」を

自分史インタビュアーの松田礼那がご紹介しています。

 

 

令和最初のFinerは・・

筆文字アーティストの田場珠翠さんです。

 

 

 

 

 

松田礼那)「珠翠さん」というお名前とっても素敵ですよね!

 

田場珠翠さん)これは宗家に頂いた書道家としての雅号で、

「珠」は、きらめく太陽

「翠」は、みずみずしい鮮やかな緑を表しています。

 

松田)太陽のような明るさで私たちを照らして、

緑のような安らぎ・癒しも感じられる珠翠さんにピッタリですね!

 

珠翠さん)ありがとうございます!

 

 

 

 

松田)珠翠さんの、ダイナミックな「筆文字あーと」はご存じの方も多いと思うのですが・・やはり珠翠さんは小さい頃から書道を習っていて、書道がお好きだったんですか?

 

珠翠さん)習い始めたのは、3歳の頃でしたが、きっかけは偶然でした(笑)

 

家の近くに偶然、書道教室があって、親が仕事から帰ってくるのを待つのに「ちょうどいい!」と兄と一緒に入れられたんです。

 

そのうち、母が教室に迎えに来て、先生から「子供たちはまだ書いているので、待ち時間にお母さんもどうぞ!」と勧められたのがきっかけで

母も習い始め、弟も習い始めました。

 

母は師範の免許も取得して、家で書道教室もするようになり

気づけば家族共通の話題が「書道」になっていましたね!

 

 

松田)3歳の頃から続けられた・・という事は、やはり「書道が好き!楽しい!」という思いがあったんでしょうか?

 

珠翠さん)そうですね・・・「書道が好き」というよりは、今思い返してみると「書く事が好き」だったのだと思います。

小学生の頃から「板書」が大好きな子供でした。

 

松田)え??先生が黒板に書いた内容を、書き写すのが好きだった・・という事ですか??

 

珠翠さん)「ただ書き写す」のではなく、「自分なりにノートに表現する」というのが好きでした。

 

例えば「なぜ先生はここに矢印を引いているのか?」と考えて「私ならこうする!」と変えてみたり・・

先生の授業中の名言を書き残す欄がノートにあったり(笑)・・

自分なりにまとめて、後で見返した時も、授業中の雰囲気まで思い出せるような、

臨場感のあるノートにまとめるようにしていました!

 

松田)面白いですね!授業中に、視覚や聴覚・・肌で感じたものまで、自分なりに書いて表現しようと思われていたわけですね!

 

珠翠さん)そうですね。今思い返せば、子供のころから「書いて表現する事」が好きだったのだと思います。

 

 

松田)そして今は「書道家」「筆文字アーティスト」としてご活躍されているんですね!?

 

珠翠さん)そうですね・・ただ、学生時代には「書道を習っている事」を友人たちに隠していた時期もありました。

 

松田)え?学生時代は書道をされている事を隠していたんですか??

 

珠翠さん)はい。学生時代は、書道の賞をとる事が苦痛な時期もありました。

 

なかなか自分の殻を破る事が出来ない苦しさや

「どうせ今回も田場が受賞するんだろ?」と言った声も聞こえて来て・・

嫌で嫌で、学校ではわざと雑に字を書いて提出物を出したりして

周りに書道をやっている事を隠していました。

 

松田)そういった思いが変わるきっかけは何だったんですか?

 

珠翠さん)高校の選択科目「書道」の先生から「自分らしく、紙に感情をぶつけてみなさい。」という一言でした。

 

そこで偶然書いたのが「童心」という漢字で、

その字を書いている感覚が楽しくて楽しくて、その瞬間扉が開くのを感じました。

 

松田)珠翠さんの「もっと自由に、子供のような心で書きたい!」という思いがあふれ出た「童心」という書だったんでしょうね。

 

珠翠さん)そうですね。心の叫びだったのだと思います。

 

 

 

松田)その後、師範の資格もとられて、今は「筆文字あーと」というオリジナルの書体で活動されている珠翠さんですが、このオリジナル書体が生まれたきっかけも教えて頂けますか?

 

珠翠さん)ある書道展で、子供がお母さんに「これ、なんて書いてあるの?」と聞いているのを、耳にしたのがきっかけでした。

 

松田)私・・そのお子さんの気持ちが分かる気がします。

私も、有名な方の書を見て、作品の下の説明書きを見ても

「ん~自分の知識が無いせいで読めない・・・」と事があります。

 

珠翠さん)そうなんですよね。私もそのお子さんの一言で

「そうか・・すごい方の書でも、子供から見れば、なんて書いてあるのか分からない」

「子供から大人まで・・書に触れていない人達も、楽しめる書道展があってもいいのでは!?」と考えました。

そこで考えたのが、オリジナルの書体「筆文字あーと」です!

 

 

 

 

松田)例えば珠翠さんが書かれた筆文字あーと「美」を見てみると・・

「美しい」という漢字にも見えるんですが、

片手・片足を上げて踊っている人にも見えますね!?

 

珠翠さん)そうなんです!この「美」はフィギュアスケートの浅田真央ちゃんが現役選手として活躍されているときに書いたものです。

 

松田)フィギュアスケーターの踊る楽しさ、喜び、希望まで伝わって来ます!

 

珠翠さん)ありがとうございます!そんな風に言って頂けると嬉しいです。

 

私は「線」に大変こだわっています。

「線」の少しの違いで、「字の表情」も全く変わって来るからです。

漢字は「線」の組み合わせなので、

日々「線」を練習して、自分が表現したい「表情」を出せるよう頑張っています!

 

 

 

松田)珠翠さんは、漢字の語源や意味も大切にされている書道家として知られています。

今月、元号が「令和」に改められましたが、この「令和」という漢字に関するエピソードも何かあれば教えて頂けますか?

 

 

珠翠さん)そうですね・・「令和」という漢字には2つの書き方がありますよね!?

最後の一画を伸ばすのか・・・

 

 

 

 

それとも、カタカナの「マ」のように書くのか・・です。

 

 

 

 

このカタカナの「マ」のように書く方の最後の1画をとってみて下さい。

なんの漢字になりますか??

 

 

 

松田)あっ!!「今」になります!!

 

 

 

 

 

 

珠翠さん)そうなんです!

この事から「今の流れを変える」のか「今の流れを繋げていきたいのか」で「令」を使い分ける事も出来る・・と私は考えています。

 

 

「今」の流れを、最後の一画でせき止めて、大きく変えて行きたいとき・・

平成の流れをリセットさせたい方は、こちらの「れい」。

 

 

 

 

一方「今」の流れを、最後の一画で伸ばして、続けていきたいとき・・

結婚やお祝い事で「れいわの時代中ずっとこの気持ちが続いていきますように」と願う時は

こちらの「れい」。

 

 

そんな風に使い分けると面白いと思います!

 

 

 

松田)自分なりに使い分けて、自分の決意を示す事も出来そうですね!

 

珠翠さん)はい!書く文字には、書く人の心がのります。

パソコンやスマホで文字を打ち込む事が多い今の時代だからこそ、

是非、少し立ち止まって、文字にどんな思いを込めるのか・・考えて

心を込めて文字を書いてみて下さい。

 

きっと、それが自分と向き合う時間、心が落ち着く時間に繋がっていくと思います。