4月に入って、新しい社員を職場に迎える、
新しい生徒さんを学校に迎える所も多いかと思いますが、
もしも、オフィスで、教室で・・「頭が重い」「気分が悪い」
という方がいらっしゃったら、その方は「化学物質過敏症」かも、
しれません。
今月の「聴けば聴くほど」は、ご自身も化学物質過敏症で悩まれ、
今は、その対策を広く県内に広げる活動をされています
一般社団法人 化学物質過敏症・対策情報センターの上岡みやえさんに、
お話を伺っていきます。
まず「化学物質過敏症」。どんな病気なんでしょうか?
上岡さん)香水や柔軟剤、シャンプーの香りで体調を崩してしまう病気です。
「合成香料=化学物質」に体が反応しているんです。
私は2013年、オフィスで突然、頭痛・吐き気に襲われて「あれ?」と思っている間に、
唇が痺れ、目の前が暗くなってバタンと倒れてしまいました。
その後何度か繰り返し「どうも同僚の香水・柔軟剤・シャンプーに反応している」
と気づきました。
もしも、あなたの職場や学校に、柔軟剤・香水・シャンプーの匂いで、
気分が悪くなる、頭が痛くなる・・という方がいらっしゃったら、
それはその人の勘違いではありません。
「化学物質過敏症」という病気の可能性があるんです。
そして、この化学物質過敏症の方は、私たちの周りにも沢山いらっしゃいます。
特に子供たちに多いという研究結果も出ています。
上岡さん)2015年の調査では、日本国内に化学物質過敏症の人は、
1000万人いるといわれています。
特に子供たちへの影響は大きく、2010年の新潟の調査では、
10人に1人のお子さんは化学物質過敏症と言われているんです。
化学物質過敏症のやっかいな所は1人1人症状が違うという点です。
「こういう症状が出れば、化学物質過敏症」とは断言できず、
日本国内に10人しか診断を下せるお医者さんがいないので、
アトピーやアレルギー症状の陰に隠れて、化学物質過敏症と
気づいていない人も沢山いると思います。
ここで怖いのが「化学物質過敏症」と気づかず、他の病気の薬を
飲んでしまう事です。
今日本国内には不登校で悩んでいるお子さんが沢山います。
その中には、実は化学物質過敏症で、教室に入ると、同級生の洋服の
柔軟剤の匂いに反応して、体が重くなる・・気分がふさぐ・・という子もいるはずです。
しかし「化学物質過敏症」という病気がほぼ知られていない現状では、
そういう子たちは心療内科に回されてしまします。
そして「うつ病」と診断されて、薬を飲めば、薬にも化学物質が含まれているので、
さらに状態が悪化してしまう可能性もあるんです。
先ほど上岡さんが挙げて下さった新潟の調査を参考にすると、
30人クラスに3人は化学物質過敏症の生徒さんがいるという事になります。
是非、まずは「化学物質過敏症」という病がある事を知って下さい。
そして、もしも、お子さんが「教室に入ると、なぜか気分がふさぐ、頭が重くなる」
と言いだした時には、どうか、精神的な病の可能性を考えるのと同時に、化学物質過敏症の
可能性も考えて頂けたらと思います。
来週以降は、化学物質過敏症の原因について、もっと詳しく見ていこうと思います