「食の呪縛」に取りつかれてしまって、息苦しさを感じていませんか?
平成の時代は女性の社会進出が進んだ時代だと言われています。
一方でいまだに女性自身の多くが「家事をしっかりこなさなくちゃいけない」
という強い意識を持っているケースが多いようです。
実は以前、大学時代の女性の先輩から
「結婚したら料理や家事ができるようになると思っていた。
だけど、レパートリーは増えないし思うように家事も上手にならない。
なんだか家族に申し訳なくてつらい」という相談を受けたことがあります。
最初はご主人さんに家事を指摘されて悩んでいると思っていたら、
そういうわけでもなく、むしろ、もっと気楽に家事をしてもいいんだよ?
と声を掛けられるほどなのだそうです。
彼女の呪縛が独特なのでしょうか?
いや、決してそうではないと思います。
こんなデータが存在します。
食品大手の「キューピー」が20代~50代の既婚女性に
自分で「ゆでたパスタ」に時短商品のソースをかけた食事を家族に出す
ことをどう思うか?というアンケートを実施したところ、罪悪感を覚えると
答えた女性がおよそ30%という結果が出たそうです。
しかも2013年の調査に比べて、その割合が5%近く増えているんです。
「家族のためにちゃんと手作りしたい!」という思いが強いあまり、
素材にあえるだけみたいな時短商品を使うということに対して、
抵抗感があるようです。
つまり、仕事は忙しいけど、家族に出す料理に対して「手間をかけた」
という満足感が欲しいということでしょう。そのため、最近は時短料理
でもあえて20分で、主菜、副菜の二品ができるといった、「ひと手間」感
を演出した商品も登場するほどです。
もちろん、手間をかけることを、夫や家族が求めるていて、その価値観に
支配されているということもあるかもしれません。ただ、いずれにしても
多くの人が口に入れるものは時間と手間をかける「べき」とう「食の呪縛」
にとりつかれてしまっていて、その呪縛を解く必要があるのかもしれません
以前番組の中で、料理研究家の土井善晴先生が毎日の料理は
「一汁一菜でよい。ええことだらけですわ」という話を紹介したこと
があります。
土井先生は「ごはん」と「具だくさん」味噌汁を心の置き場にしていれば
食事作りに悩まなくていい。具沢山味噌汁なら切って鍋に放り込むだけ。
具材を変えれば味も変わるそれでいいじゃないかと。
そういう、食事における「心の置き場」をつくってみてはいかがでしょうか。
「食の呪縛」を解く最初の突破口になると思います。