「轍」ってご存知ですよね?
「通り過ぎた車輪の跡」という意味で、それが転じた同じ言葉ですが
轍を「てつ」と読ませることで「先例」という意味にもなりますよね。
脳科学的に考えると、私たちは年を重ねていくごとに
自分の中に「わだち」をつくってしまうことがあるんだそうです。
しかもその轍が時に「生き辛さ」を感じる原因にもなるそうです。
人の頭というのは経験を積むごとに、「こうすれば生き延びる可能性が高まる」と
学習するんだそうです。もちろん、生き延びるうえで備わった必要なスキルですが
これが行き過ぎてしまうと、経験と学習の間に「轍」ができてしまって、
いつの間にか、自分でレールを敷いて、その轍から抜けられなくなるだそうです。
しかも、厄介なのは、濃淡はあれどそれぞれの個人がおのおの「轍」を持っている
ということ。だからそれがぶつかって人間関係をぎくしゃくさせることもあります。
そんなときは、少し長めの一人の時間をとって、まず自分を鳥瞰的にみましょう。
鳥が空を飛んで街を見下ろし、全体を見るように、自分自身を鳥の目で見るのです。
なぜ自分がそう考えるのか、なぜ相手が自分とは相いれない言動をとるのか?
深く考えてみましょう。
そうすると、自分と、時には相手の「轍」がうっすらと見えてきて
自分や相手を受け入れる、理解しようとする気持ちの余裕が出てくると思いますよ。
己に潜む、見えない「轍」まずはそれを意識してみませんか?