MENU

Pick Up Program / ピックアッププログラム

番組一覧はこちら
Logo

ブログ

ハラスメントは想像力の欠如から始まる

先日ある肺がん患者の話を耳にする機会があった。

自身も肺がんの治療を受けながら、同じ病気をもつ

患者さんの支援をなさっているそうだ。

 

ちなみにこの方は、喫煙経験はないそうだ。

 

しかし、一般的に、肺がん=喫煙習慣が原因

という認識が存在するため

「これまで、どのくらいタバコを吸われてきたんですか?」

という質問を受けることが多いという。

 

悪気がないというのは十分理解してはいるものの、

やはり「タバコを吸っていたんでしょ?」と言われると

自業自得だ!と言われているような気がしてつい「イラ!」

としてしまい、「僕は一本もタバコを吸ったことがありません」

と声を荒げて反応していたそうです。

 

でも、あるとき「タバコを一本も吸ったことがありません」

とイラつく姿勢が肺がん患者の中で、分断を生んでいることに

気づいたという。

 

つまり、喫煙経験のある肺癌患者は同じ病気で苦しむ同胞が

「タバコを一本も吸ったことがありません」と声をあらげる

ことで、自身のこれまでの生活習慣を責め、傷ついてしまう

それが肺がん患者同士に見えない溝を掘り、分断を生むと。

だから肺がん患者に興味本位でタバコの話はしないでほしいと。

相手がどう感じ、考えているかという想像力が足りなかったなぁと

反省させられた。

 

先週、県内でも、パワハラ・セクハラが大きなニュースになった。

新聞社の社長とは思えぬ発言、反論に閉口した方も多いだろう。

実はそのハラスメントも想像力の欠如から始まる。

 

ハラスメントをしている人に、当事者意識はない。

むしろ、その人のためにやっているのであって、注意をする自分も

心苦しい。どうしてそれがわかってくれないのだ。と反論をする。

ハラスメントなんてとんでもない!と怒り出す人だっている。

 

しかし、ここで少し立ち止まって想像力を働かせてほしい。

あなたが「よかれ」と思ってしていることを受け取る人は

その「よかれ」をどう受け取っているだろうか?

 

あなたの「よかれ」はあなたの中の価値観や基準ではないか?

ほんとに相手の立場や気持ちを考えたものなのだろうか?

 

相手をよく観察し、相手の気持ちに寄り添い、

想像力を働かせてかける言葉や態度を考えたい。

 

(執筆:大城勝太)2019.1.15.tue Fine!7時45分頃の話題