コーナー開始の頃から毎週、原稿を書く前に、にゃぶろうと企画会議をしている。
現在でも、その儀式は続いていて、おおよそ伝えたいと思っている内容を会議で話すと、
考えがまとまったり、別の観点が必要だということに気づいたりもする。
たまに寝てて話を聞いていない気もするが、結果が出ているのでOK。頼もしい部下である。
考えを相手に話して深めていく方法は、仕事の場面でもよく使われていて「壁打ち」と呼ば
れる。壁打ち自体は以前から存在していたものだが、アイディアを実現するための作業が多
い昨今は特に使われる場面が増えているように思う。今日は、壁打ちについて考えてみたい。
壁打ちの方法は、大きく2つ。例えば、新しい事業やサービスを考えるとして、
①ただ話を聞いてもらいながら自分の考えを具体的にしていく方法(にゃぶろう方式)
②話を聞いてくれている相手(ディスカッションパートナーなどと呼ばれる)に、
話し手が話した内容について質問してもらうことで、両者で考えの視野を広げたり、
より深く考えることを通じて新たな視点やアイディアを獲得していく方法。
2つの方法に共通しているのは、壁打ちの段階では、話を聞いている側が、答えを準備した
り教えたりすることがない点。私(堀家)がやっている事業者のサポートの仕事でも、最近
は特に、はじめから答えを提示するような依頼ではなく、ディスカッションをしながら一緒
に考えを深めていくようなステップが先にあって、その後で、実行の段階で専門的なサポー
トをしていくという案件が増えている。
話を聴く役割は、それを生業とする人もいるが、基本的には、友人や同僚、家族など、
あらゆる場面であらゆる立場の人が担うことが出来るということ。その際に心がけることは、
聴く側は、壁打ちの段階では、答えを出そうとせず、聴く、質問する、広げる、深めるに
集中すること。まさに哲学的な側面をもつ手法です。