にゃぶろうは、夜中お腹が空くと大声で起こしてくる。
そこで1日の適正な食事量を6回に分け、うち1回を夜中に機械であげるよう工夫し解決した。
しかし、夏場は夜中に活発に動き回るようになり、毎晩起こされることに。
今度は食事や運動を改善することで解決した。
今回「どうすれば夜中起こされなくて済むか?」という問いを設定し、
試行錯誤して解決に至った。実は、その解決の過程では哲学の要素が活用されている。
哲学とは「一見、当たり前と思われていることに疑問を持ち問い直し、
物事の本質を順序立てて考えること」を指す。
つまり、問いの設定は、哲学の第一歩。
昨今、哲学の手法は問題解決のための道具としてビジネスの現場で積極活用されている。
今日は、哲学の第一歩「問い」について考えてみたい。
哲学者の吉田幸司さんは、著書の中で、解決したい課題があるとき、
問いの良し悪しは気にせず沢山の問いを出すよう勧めている。質より量を重視することで
「解決に関係ない」と思われていた視点からも考えることができる。
また、課題に対して、直接答えを出そうとするのではなく、
問いや疑問の形で書き出すことで、隠れていた前提や疑問が浮かび上がってくるのだという
(冒頭の話でいうと「しつければよい」という的外れな解決策を出すのではなく、
「昼間よりも夜の方がお腹が空いているのではないか?」と問いを設定する方が有意義)
問いを書き出したら、次は、種類分けして問いを統合・整理し、どの問いから先に答えてい
くか優先順位をつける。吉田さんは、解決に直結しそうな問いよりも、もやもやと違和感を
感じる問いから先に答えていくことを勧めている。
人がもやもやする時は、答えが見つかっていないからではなく、何が真の問題か整理できて
いないからもやもやしているのだそう。先人の哲学的な論考を暗記するのではなく、
問いの出し方、まとめ方、考える優先順位に気を配ることで哲学の思考を取り入れることができる。
是非活用していきたい。