毎週火曜日にお届けしています“Finer”
志を持って頑張っている方、
誰かをFine!にしようと活動している方
いわゆる「Finer(ファイナー)」を
自分史インタビュアーの私・松田礼那がご紹介しています。
今回のFinerは、「シナリオプランニング」という組織開発の手法を、
沖縄で広げようと尽力されています、税理士の朝比奈寛幸さんです。
松田)「シナリオプランニング」って何ですか?
朝比奈さん)未来を具体的にイメージする手法です。
1970年代、ドイツの大手石油会社Royal Dutch Shellが、このシナリオプランニングを駆使してあらかじめ石油危機の未来を予測していて、実際に石油危機が起きた際には迅速な対応が出来た・・という事で、一躍有名になりました。
海外の企業では良く使われ、県外の企業・行政でも良く使われている手法ですが、
ここ沖縄では、まだまだこの「シナリオプランニング」という手法を知っている人は少ないように感じます。僕の周りでは知っている人は1人しかいませんでした。
松田)シナリオプランニング=未来を具体的にイメージする手法・・ですか?
でも朝比奈さん「5年後・10年後をイメージして、目標をたてましょう!」というのは、割と一般的な考え方ですよね!?
朝比奈さん)はい!これまでも「予測」という考え方は一般的だったと思います。
ただ、これまでの予測は「過去の延長線上」で未来をとらえがちでした。
「5年後の未来は?」「10年後の未来は?」と聞かれると、
過去の失敗体験や成功体験に、引っ張られていたり・・
「今これを取り組んでいるんだから、未来はこうあるべき」といった、現在・過去が未来に大きく影響する考え方が一般的でした。
また「5年後・10年後の未来をイメージして、目標をたてましょう!」と言うと「数字」にも囚われがちです。
実際僕は税理士として、仕事をしていて、そういう企業・組織と多く関わって来ました。
「来年の売り上げは○億円」「前年度より売り上げ20%アップ!」と言った数字の目標です。
ただ、そういった目標に対して疲弊している人が多いとも感じました。
「数字」を目標にするのではなく、
企業・組織のメンバーみんなで「こういう方向を目指していきたい!」「こうなりたい!」と未来を描けないか・・
そんな風に悩んでいた時出会ったのが、シナリオプランニングという考え方でした。
松田)では、シナリオプランニングは、これまでの目標設定の手法や未来予想の立て方と違って、自分の過去に引きずられない・・という事でしょうか?
朝比奈さん)はい!そのために、シナリオプランニングでは、他とは違う大きな特徴が2つがあります。
1つは、価値観の違う数人が集まって、議論をし、10年後・20年後の「未来」を予想するということです。
価値観の違う人が集まるので、自分では思いもよらなかった未来予想図が出て来ます。
もう1つの特徴は「未来」は、自分の仕事に関係があると思える「未来」だけではなく、社会全体の「未来」を考えるという点です。
自分の関わる産業だけではなく、例えば5G・6Gという世の中が訪れたら・・
ブロックチェーンはどうなっているのか・・など、世の中全体を考えていきます。
そしてみんなで議論したその「未来」を受け入れた上で「なら、その10年後に自分はどうあるたいか?」「どんなサービス・商品が必要とされているのか?」というように自分自身や、自分が所属する企業・組織の10年後に落とし込んでいくわけです。
松田)こういったシナリオプランニングを導入する事で、企業にはどういった変化があるんでしょうか?
朝比奈さん)まず、日々の小さな習慣、アンテナを張るものが変わると思います。
例えば僕が知っている企業は、職人さんが集まる企業で、
これまでは「自分たちの技術を愚直に磨けば良いんだ!」とお考えでした。
しかしシナリオプランニングを導入した後は「こんなにも自分たちの仕事は外部環境にも影響されているんだ!」と気づかれたようで、
経済新聞を積極的に読む職人さんが増えました!
松田)色んな技術の変化も目まぐるしい今の時代だからこそ、外部環境を考えて5年後・10年後の自分自身の未来を考える・・という事はとても大切ですね!
朝比奈さん)そうなんです。
今度の日曜日20日には、このシナリオプランニングを体験しつつ、参加者皆で10年後の未来・そして10年後の働き方を考えるイベントが、北中城村のあやかりの杜であります。
10年後の世の中はどうなっていて、10年後どんな働き方をしていたいですか?
一緒に考えましょう!
<20日のイベント詳細>
場所:北中城村あやかりの杜
時間:13時開場。13時半~16時半
参加可能人数:20人。参加者対話型のイベントのため。