「人はなぜ乗り換えるのか」
ウチには2台の自動給餌機がある。1量が出る朝昼晩3食用、
2少量が出る夜食用。にゃぶろうは2年間、同じドライフードを食べていたが、
夜食だけ別のエサを催促するようになり、夜食を別のフードに変えた。
一方で朝昼晩は以前と同じフードを残さず食べている。
飽きたのか?飽きていないのか?色々と考えてしまうが、
今回のにゃぶろうの行動は、消費者心理に例えるならば、
2つの状態を表しているように見える。
1つ目は、特に気に入っているわけでもないのに、
朝昼晩は以前と同じもの食べ続けている行動。
これを消費者心理的には「習慣化」と呼ぶ。
2つ目は、これまで食べていたフードをやめて
別のものに乗換えた「スイッチング」という行動。
スイッチングの例に携帯電話のキャリア乗換えがある。
乗換えをする・しないの選択に大きな影響を与えているのは、
スイッチングコスト(乗換にかかる費用や手間等)だと言われる。
「乗換先を調べる手間や解約手続や解約金がかかるのが面倒
だから乗換しない」のはその例。
一方で、スイッチングコストを超えるメリットを消費者が
感じた場合、乗換えを選択する。携帯キャリア各社が新規契約は安く、
中途解約に解約金がかかるよう設定しているのは、乗換を促進又は
防止する観点からスイッチングコストをコントロールしているから。
ただし、スイッチングコストに含まれるのは、費用や手間など
数字で測れるものだけではない。愛着があるものから離れるという
心理的な負担も含まれる。サービスを提供する側ができる
乗換の防止には、金銭や手間をコントロールすることだけでなく、
真正面からお客様にとって本当に価値があるサービスを提供できているか
を点検・改善する取組に注力し、結果、信頼や愛着を持っていただけること
こそ重要なことであるように思う。